食生活研究誌のシリーズ原稿
ひょんなことから、食生活研究という短大生向けに企画された定期刊行物(年6回刊行)へ1号おきに寄稿することになってしまいました。この刊行物はデジタル化されていないので、寄稿した原稿を当方で2段組に編集しPDF化してここに置きます。興味のある方はお読みください。
いずれも短期間に資料収集をして執筆したものなので,誤りや抜け落ちがあると思います。お気づきになった方は遠慮なく連絡をお願いします。
・うどん類の歴史と分類(食生活研究、第38巻3号、121-130、2018):PDF化した原稿
・豚肉と日本人(食生活研究、第38巻5号、261-272、2018):PDF化した原稿
・日本特産の香辛料である山椒(食生活研究、第39巻1号、1-10、2019):PDF化した原稿
・日本の香酸柑橘(食生活研究、第39巻3号、113-124、2019):PDF化した原稿
・日本人とイモ(食生活研究、第39巻5号、235-248、2019):PDF化した原稿
「ひとこと」のところにも書きましたが,学術秘書の池田という方から,この原稿中で,ナガイモやヤマノイモのネバネバした成分を「ムチン」としているのは誤りだと指摘されました。科学的にはそのとおりです。このネバネバはムチンではありません。
・世界を制覇したインゲン豆(食生活研究、第40巻1号、2-15、2020):PDF化した原稿
お詫びと訂正:上記のインゲンに関する論考の中では、本朝食鑑という江戸時代の書物におけるインゲンの記述「江東には少なく、海西で多く栽培されている」を引用し、江東を中国の長江の東、海西を中国の青海地方の西と解釈して考察を進めています。しかし、最近、本朝食鑑における「江」とは墨田川のことであることに気づきました。したがって、江東とは江戸の東部の意味になります。そうすると海西も、東海道の西、つまり西国を指すことになります。つまり、インゲンが江東には少なく海西に多いというのは、当時のインゲンが江戸周辺では栽培されておらず、西国で栽培されているということになります。論考では、海西を青海地方西部と解釈したので、中国の奥地でインゲンが栽培されており、インゲンの中国伝播のルートとして陸路もあり得ると述べてしまいました。海西が西日本を指す以上、この考察は成立しません。本朝食鑑をもう少し丁寧に読めばすぐにわかることでした。ここにお詫びします。なお、次回の食生活研究の記事においても、この点を訂正した文を掲載いたします。
・鯛と日本人(食生活研究、第40巻3号、143-155、2020):PDF化した原稿
・日本で栽培野菜として発展したゴボウ(食生活研究、第40巻5号、255-262、および第40巻6号、336-344、2020):PDF化した原稿
・ミョウガ(食生活研究、第41巻1号、1-10、2021):PDF化した原稿
・抹茶と菓子,そして抹茶スイーツ(食生活研究,第41巻3号,111-119,2021):PDF化した原稿
補遣:上記の抹茶スイーツに関する論考に関して,共栄製茶株式会社の立開康司氏から,「京都府茶業研究所が昭和6・7年に、当時の農林省の助成を得て、いろいろと開発していた事実があるようです。例えば、同研究所のホームページには,昭和6年に抹茶チューインガムの開発が載っており、アイスやチョコレートなどの開発も進めていたようです。贅沢品の抹茶を多用化する動きは昭和初期からあったと思われます。」というご指摘を受けました。確認したところ,京都府茶業研究所のHPの中の「茶業研究所のあゆみ」というページに確かに「昭和6年 新製品「抹茶入りティーンガム」を納める。抹茶利用研究を開始する。」という記載がありました。茶業研究所にはかつてサンプル提供などお世話になっており,抹茶スイーツについても資料があることに思い至るべきでした。 ご指摘いただいたことに深く感謝いたします。
なお,この補遣は次回の食生活研究誌にも掲載させていただきます。
・いい塩梅(食生活研究,第42巻5号,249-262,2021)PDF化した原稿
・豆腐の誕生と普及(食生活研究,第43巻1号,1-10, 2022)PDF化した原稿
・キュウリの伝来と普及(食生活研究,第43巻3号,137-145,2022)PDF化した原稿
講義
2024年度、吉田は、千里山キャンパスで教養科目の「食を知る(春1クラス・秋2クラス)」とコンソーシアム大阪での講義科目「食べ物の役割と日本における食材の歴史」を担当しています。
福永は、専門科目の「生化学4」「基礎分析化学」「食品科学1および2」「栄養科学」「機能性食品」、堺キャンパスで教養科目の「食を知る」、大学院科目の「食品化学特論」を担当しています。また、これら以外にも、実習科目やゼミナール科目なども担当しています。